カルチャー日記2006

三週間ほど前の雨の日,屋外で傘が壊れ,雨に打たれる羽目になった.そのせいで髪の毛が痛み,絡まる.雨の多さと比例してか憂鬱な日も増えた.梅雨真っ只中で,雨の鬱陶しさに辟易とする.これが明ければ夏になるが,今年の夏はコロナや院試でどうなるのか分からない.一人でどこかに行きたい気もするが,そんな余裕が世間や私にあるのか分からない.そんな気持ちで6月に摂取したカルチャーを紹介していく.

 

さよならニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ (文春文庫)

 

今月,読んだ小説の数が少ないのはこいつのせいだ.

実在する殺人事件を元に話が進んでいく.

それはフィクションともノンフィクションとも取れるが,どちらでも良いのだろう.

リアルさはあるが,こんなリアルはフィクションに近いと言える.

話は常に暗く,光や希望なんてものは更々ない.

あったとしても,私には認識できない形態だ.

この本はボリュームがある上に話が暗く読み進められない.

 

 

色彩を持たない田崎つくると,彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

 

ブックオフで買ったのだが,恐らく読んだことがある.

それがいつどこでなのかは微塵も思い出せない.

頭の中に放置されていた記憶の埃を払うように読み進めた.

どこまで行っても既視感しかなかった.

しかし,全くオチが思い出せない.

見たことのある文なのにオチが分からないという不思議な体験.

記憶力があまり良くないので,一度手にした小説や映画の内容を平気で忘れる.

内容だけでなく,タイトルすらも忘れて購入してしまうのは初めてだ.

(これは忘れを防ぐために始めた日記でもある)

 

かぐや様は告らせたい天才たちの恋愛頭脳

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~1(完全生産限定版) [Blu-ray]

 

前回紹介した,かぐや様は告らせたいの2期.

ほとんどのアニメは視聴者の時間に合わせて物語が進む.

しかし,この作品はそうでなかった.

相変わらず甘酸っぱくも不器用な恋愛は1期と変わらず進んでいたし,そうした日々は,私がこのアニメを見ていなくても続いていくんだろうなと思わせてくれた.

恐らくアニメで描かれていないシーンも山ほどあるであろう.

漫画版も見てみようと思う.

かぐや様にでてくるキャラは本当に皆魅力的だ.

私は当然かぐや様も好きだし,早坂も好きだし,石上も好きだ.

この作品を勧めてくれてありがとう.

 

kemioの耳そうじクラブ

けみおのポッドキャスト

今のところ配信されているのは第2回まで.

初回と2回目のゲストはヒカキン.

私に近しい人は知っていると思うが,私はけみおやフワちゃんが好き.

彼らはネガティブなことも明るくネタに消化できるし,ポジティブなことはよりパワフルに表現できる.

無理して弱さを隠したりせず,非常に人間的.

悩むし,苦しんでいるのが分かるが,それすらも視聴者を楽しませるためのエネルギーに変えている.

私も何度も何度も力を貰っている.

ここまで責任を追える人はなかなかいない.

けみおの等身大の意見(それは決して私たちとは離れていない)は,ヒカキンのトップユーチューバーとしてのストイックさに映える.

これから毎週楽しみだ.

 

シャイニングラジオ

Tohjiとお笑い芸人で大学時代シェアハウスをしていた(?)イクトのポッドキャスト

話題はめちゃくちゃしょうもないものの,1話の冒頭でオレらめちゃくちゃ面白いと言っていたハードルは優に超える.

 Tohjiとイクトのだべりはリラックスしていて肩をすかされた気分になる.

こういう風に面白い話をできるようになりたい.

「私」について.「私」とは,皮膚の内側だけなのか.自分の考えでは違う.「私」は私自身の身に纏うモノも含む.服を掴まれた際に「私に触れないで」と発言することが不自然でないことから,想像しやすいだろう.では,場はどうか.家などの私的なスペースに見知らぬ人が存在場合,自身に何の危害を加えなくても不快感を抱くだろう.それはその場が「私」の構成要素たりうるからかもしれない.場を構成する人の話が出たので人について.周囲の人間によって「私」の行動や感情が変化することに共感する人は多いだろう.これに関しては外部との相互作用との捉えることもできる.しかし,これは「私」のアーキテクチャとして存在している.以上のように考えていくと,「私」が皮膚の中に収まるものではないと考えられる.このした発想により,最近私は「私」をバケツに落とした絵具のように捉えている.絵具の中心は限りなくその色に近いが,離れるにつれて薄まる.バケツには様々な絵具が落とされる.赤と青の間にはグラデーションが生まれる.そこに不可分.色と色が混ざり合う箇所(それは無数に在る)では新たな色が生まれている.新たな色とは「私」.しかし絵具に用意された色ではない.それが集団.集団にとっての「私」.落とされた絵具の周辺には複数の色が生まれる.それぞれ全てが「私」.多面的な「私」.これが私の「私」観

 

カルチャー日記2005

感染症により焼けただれた傷も,5月の末になると癒はじめているよう感じます.

今月から,私の摂取したカルチャーを紹介する「カルチャー日記」*1を連載します.*2

あくまで主観です.文句を言わないでください.

 

 

 

 


輪るピングドラム

「輪るピングドラム」 Blu-ray BOX(限定版)

作中で度々言及される「運命」についての台詞が印象的.

きっと何者にもなれない僕たちに仕組まれた運命は変えられるのか.

そもそも運命なんて存在するのか.

そんな疑問を抱きつつ進む物語のなかで,登場人物は仕組まれた運命を変えようともがいている.

人は誰かに運命を渡すことで生きていけるのかもしれない.

 


かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~1(完全生産限定版) [Blu-ray]

とにかくかぐや様が可愛い.

おそらく,藤原書記派の人も多いのだろうとは思うが,私はかぐや様派.

恋愛モノなのにめちゃくちゃ展開が遅い.

とてももどかしい.

しかし,ギャグが面白く,胸キュン要素も多いので全く飽きさせない.

頭を空っぽにして見ても,心が満たされてゆく作品.

現在は二期を試聴中.

展開が気になる.

 


リトルフォレスト

リトル・フォレスト 夏・秋

リトル・フォレスト 冬・春

橋本愛さんが主演の作品.

橋本愛さんが出演している作品はアバター,さよならドビュッシーあまちゃんに続いて4作目.

岩手県の大森という場所で,主人公いち子は猫と生活している.

自給自足している彼女は,四季折々の食材で料理を作っている.

旬の食材によって構成される料理は季節を閉じ込めている.

次にそれを食べられるのは1年後だろうか,2年後だろうか.

いち子にとって料理は日記のようなものなのかもしれない.

生きるために摂る食事がそれ以外の意味を持つの意味を考えさせられる.

 

 

星の王子さま

星の王子さま (集英社文庫)

人生で5度目か6度目の星の王子さま

今朝の食事や家族旅行での会話内容,子供の時の記憶など,人間は多くのものを忘れていく.

では,記憶に留まっているものは本当に大切なものなのだろうか.

忘れてしまっている「本当に大切なもの」を思い出させてくれる.

 

 


コンビニ人間

コンビニ人間 (文春文庫)

人は基準を設け,それを超えた人だけが社会に認められる.

その基準を越えようと努力する人もいれば,基準自体に興味がない人もいる.

前者は基準とのギャップがコンプレックスになるだろう.

では,後者はどうだろうか.

社会に認められない人は社会の一部ではないのだろうか.

私はそうではないと思う.

社会に認められない人にもどこに居場所が必要だ.

 


見えない涙

見えない涙

詩集.

作者の言葉が毛布のように暖かい.

普段なら暑くて脱ぎ捨ててしまう毛布も,包まれてみるといいものだ.

詩集を買うのは初めてだったが,短い文章によって日本語の美しさが際立つ.

 

 


夢の骨が襲いかかる!

夢の骨が襲いかかる!

 長谷川白紙さんの最新アルバム.

7曲中6曲がカバーである.

今までのような肉体拡大するようなサウンドではない.

おそらく,長谷川白紙の楽曲制作の骨を曝け出すような作品.

カバーも長谷川白紙の吸い込んだ音楽の解釈の吐露だろう.

実際に全ての曲がピアノとボーカルで構成されていて,その点ではとてもシンプル.

今までの曲と比較すると,「夢の骨が襲いかかる!」感覚が分かるだろう.

*1:橋本愛のカルチャー日記

*2:飽きるまで

はじめ

只今,実験と作品制作と院試の勉強に追われている.忙しいことはとてもいいことで,幸せな気分です.しかし,偶には目を背けたくなる.約一年ぶりにギターも弾いてみたりした.それでも足りなかった.なのでずっと始めようと思っていたブログを始めてみた.これからどのようなことを書くかは決まっていない.